インフレは私たちには苦しいのに、政府の借金にはプラス?ニュースを読んで初めて知った「インフレと国の借金」の関係

最近、ニュースを読んでいて、ちょっと気になる文章がありました。

「デフレからインフレに転じたおかげで、ゼロ金利時代に借りた債務の価値が目減りしている」

……ん?

インフレって、私たちの生活にはかなり苦しいものじゃない?

スーパーに行けば食品は高くなっているし、日用品も値上がりしている。

給料が少し上がったとしても、それ以上に物価が上がれば、実際に使えるお金は減ってしまいます。

私自身、節約や投資についてブログを書いていることもあって、物価が上がるニュースには敏感です。

だから最初は、

「インフレって、政府にとっても困るんじゃないの?」

と思いました。

ところが、どうやら話はそんなに単純ではないようです。

私たちには苦しいインフレ。でも政府の「昔の借金」には?

ポイントは、「昔に借りたお金」です。

例えば、政府が昔、100万円を借りたとします。

借りたときには、その100万円で買えるものがたくさんありました。

ところが、その後インフレが進んで、物価が2倍になったとします。

それでも、政府が返す100万円という金額そのものは変わりません。

つまり、

昔の100万円と、今の100万円では「価値」が違う

ということです。

極端に言えば、

「価値の高かった100万円を借りて、価値が低くなった100万円を返す」

ような状態になります。

これが「インフレによって債務の実質的な負担が軽くなる」という考え方です。

ちょっと不思議な話

ここが今回、私が一番「へぇ」と思ったところです。

インフレになると、

私たち
→ 食品や光熱費などが高くなって生活が苦しくなる

政府
→ 過去に借りたお金の「実質的な価値」が目減りする

という、ちょっと不思議なことが起こります。

もちろん、政府だって物価上昇の影響を受けます。

公共工事の費用や政府が購入する物品、人件費なども上がります。

なので、

「インフレになれば政府は丸儲け!」

という話ではありません。

ただ、すでに借りている巨額の債務については、インフレによって実質的な負担が軽くなるという側面があるのです。

さらに重要なのが「GDP」

もう一つ、この話で重要なのがGDPです。

例えば、国の借金が1,000兆円だったとします。

GDPが500兆円なら、

1,000 ÷ 500 = 200%

です。

ところが、物価上昇などによって名目GDPが600兆円になったとすると、

1,000 ÷ 600 = 約167%

になります。

借金そのものは1,000兆円のままなのに、

経済全体に対する借金の重さは小さくなる

わけです。

実際には日本の財政はもっと複雑ですが、考え方としてはこういうことです。

だから「インフレになった今は、過去の借金の実質的な負担を軽くし、財政を立て直すチャンス」という見方が出てくるのだと思います。

じゃあ、なぜ「今」がチャンスなの?

日本は長い間、デフレに悩んできました。

物価がなかなか上がらない。

給料もなかなか上がらない。

経済が大きく成長しない。

そんな中で政府の借金だけが積み上がってきました。

ところが今は、以前とは状況が変わっています。

物価が上がり、賃金も上昇するようになり、名目GDPも大きくなりやすい環境になっています。

つまり、

「これまでに積み上げてきた借金の実質的な重さを軽くしながら、財政を立て直していく」

ということが期待できるタイミングなのです。

これが、ニュースで言っていた「絶好の機会」という意味でした。

ところが、ここで「歳出拡大」という問題が出てくる

今回読んだ記事では、高市政権が積極的な歳出を進めていることについて、

「せっかくの機会をみすみす棒に振るのではないか」

という趣旨の批判をしていました。

つまり、

「インフレによって過去の借金の実質的な負担が軽くなっている」

「だったら今のうちに財政を引き締めて、借金を増やさないようにしよう」

「でも政府が新たな支出をどんどん増やせば、せっかくの効果を打ち消してしまうのでは?」

という考え方です。

なるほど……と思いました。

でも、「歳出を増やす=悪」とも言い切れない

ここは私自身、ニュースを読むときに注意したいところです。

政府がお金を使うことが、すべて悪いわけではありません。

例えば、AIや半導体、防衛、経済安全保障など、将来の日本の成長につながる分野に投資することで、経済そのものが大きくなる可能性があります。

経済が成長してGDPが増えれば、結果的に「借金÷GDP」の割合を下げることもできます。

つまり、

「今は借金を減らすことを優先するべき」

という考え方と、

「今こそ将来の成長のために投資するべき」

という考え方の両方があるわけです。

今回の記事は前者の立場から、高市政権の歳出拡大を批判している、と理解しました。

そして、もう一つ怖いのが「金利」

ここまで読んで、

「じゃあインフレになれば、政府の借金問題は解決するんじゃない?」

と思ってしまいそうですが、そんなに簡単ではありません。

むしろ今、私が気になったのが「金利」です。

インフレになると、中央銀行が金利を引き上げることがあります。

すると、新しく国債を発行するときの金利も上がっていきます。

さらに、過去に発行した国債も、満期が来て借り換えるときには、より高い金利で借り換えなければならなくなります。

そうなると、

「過去の借金の実質的な価値は目減りする」

一方で、

「金利上昇によって政府の利払い負担は増える」

ということが起こります。

ここが、日本の財政問題を考えるときの難しいところなのだと思います。

インフレは「悪」でも「救世主」でもない

今回のニュースを読んで、私はインフレについて少し見方が変わりました。

これまでは、

インフレ=物価が上がって生活が苦しくなる

というイメージが強かったです。

もちろん、それは私たちにとって非常に重要な問題です。

でも国の財政という視点から見ると、

インフレには、過去に積み上げた借金の実質的な負担を軽くする側面もある。

一方で、金利が上がれば政府の利払い負担は増えていく。

さらに、政府が支出を増やしすぎれば、インフレや金利に影響する可能性もある。

こう考えると、

「インフレになったから日本の借金問題は解決!」

なんて単純な話ではないことが分かります。

投資をするようになって、ニュースの見方が変わった

昔の私は、「国の借金」「国債」「GDP」「金利」と聞いても、正直あまり興味がありませんでした。

でも、投資をするようになってから、こうしたニュースが少しずつ気になるようになりました。

金利が上がれば銀行株にはどう影響する?

インフレになれば企業の利益はどうなる?

国債の金利が上がったら株価には?

そして、政府の財政が悪化したら、日本の金利や円はどうなる?

全部つながっているんですよね。

今回も、

「インフレって私たちには苦しいのに、政府の借金にはプラスの面があるの?」

という素朴な疑問から調べてみたら、思っていた以上に奥が深い話でした。

投資をしていると、単に「株価が上がる・下がる」だけではなく、

「なぜ金利が動くのか」
「なぜ国債が売られるのか」
「なぜ政府は財政を気にするのか」

まで考えるようになります。

まだまだ勉強中ですが、こうやって一つずつニュースの意味が分かっていくのは、投資の面白いところだなと思います。

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