私は投資や経済のニュースを見るのが好きですが、実は世界史も好きです。
そんな私が経済ニュースを見るたびに思い出すのが、
「ドイツはなぜこんなにインフレに敏感なのだろう?」
ということです。
実はその背景には、100年以上前の苦い歴史があります。
パン一個が何十億マルクになった時代
第一次世界大戦後のドイツは莫大な賠償金を抱えていました。
政府はお金を刷って対応しようとします。
その結果起きたのが、
ハイパーインフレです。
物価が毎日のように上昇し、
朝と夕方で値段が変わる。
給料をもらったらすぐに使わないと価値が下がる。
そんな異常な状態になりました。
有名な写真では、お札を運ぶためにリヤカーを使っている様子も残っています。
紙幣の価値より紙そのものの価値の方が高いと言われるほどでした。
中間層が大きな打撃を受けた
特に苦しんだのは真面目に貯蓄していた人たちです。
銀行預金。
保険。
退職金。
長年かけて築いた資産がほとんど無価値になりました。
昨日まで安心だった生活が突然崩れる。
多くの人が社会への不満を抱えるようになりました。
その後のヒトラー台頭
もちろんヒトラーが政権を取った理由は一つではありません。
その後の世界恐慌なども大きく影響しています。
ただ、
ハイパーインフレによる社会不安
↓
既存政治への不信感
↓
過激な主張への支持
という流れの一因になったと言われています。
ドイツにとってインフレは単なる物価上昇ではありません。
国家そのものを不安定にする恐怖の記憶なのです。
今でもドイツはインフレに厳しい
だからドイツは今でもインフレに非常に敏感です。
ECB(欧州中央銀行)が金融政策を考える時も、ドイツの考え方は大きな影響力を持っています。
日本人からすると、
「少しくらい物価が上がるのは仕方ないのでは?」
と思うことがあります。
しかしドイツには、
「インフレを放置すると社会が壊れるかもしれない」
という歴史的な記憶があります。
投資家として思うこと
最近は日本でもインフレという言葉を毎日のように聞きます。
スーパーへ行けば食品は高い。
外食も高い。
光熱費も高い。
物価上昇は確かに家計に厳しいです。
ただ世界史を振り返ると、
インフレは単なる値上げの問題ではありません。
社会や政治まで変えてしまう力があります。
投資をしていると金利や物価のニュースを追うことが増えます。
でも数字だけを見るのではなく、
その国がどんな歴史を経験してきたのかを知ると、ニュースの見え方も変わります。
ドイツがインフレを警戒する理由。
それは単なる経済理論ではなく、歴史から学んだ教訓なのだと思います。

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